国税を退職してから聞いた話だが、「税理士を変えると税務調査が入りやすい」などという都市伝説が存在するらしい。
私自身、調査選定をしてきたが、そのような観点で調査選定をしたことはなかった。
このような基準で選定している調査官がいるとも聞いた記憶がない。
KSKにも、このような抽出基準はプログラミングされていなかったように思う。
したがって、私の経験からいうと、根拠のないウワサに過ぎない。
というより、税理士変更を阻止しようとする税理士のリップサービスなのではないか。
ただし、少しニュアンスが変わるが、「税理士をコロコロ変える会社に調査に行くと大きな問題が見つかる」というのはあると思う。
税理士をコロコロ変える会社を調査すると…
私の経験から一つ言えることだが、
税理士をコロコロ変えていた会社に調査に行くと、大きな問題が見つかることが多かった。
その問題とは、経営者が税理士の言うことを聞かず、おかしな経費を入れ込んだりするケースである。
その場合、税理士は経営者の暴走を諫めるわけだが、聞く耳を持たなければ意見が対立し顧問契約の解消に至る。
むしろ、税理士側から切るケースが多い。
こうやって、毎年のように税理士が変わっていく。
つまりは、税理士をコロコロ変えるという現象には、その根底に経営者の暴走が潜んでいる可能性があるというわけである。
辞めて今更だが、「税理士をコロコロ変える会社」というのは、調査選定の切り口として意識した方がいい。
コロコロ変えるというのは、経営者が暴走している可能性が高い。
そういう会社を調べれば何かが出てくる。
私はすでに国税を辞めたが、このような観点での選定も有効だったのではと、今となって思う。
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