これだけは知ってほしい!税務調査の基礎知識①「税務調査って何ですか?」

税務調査

元国税調査官の税理士、三上です。
私は、つい先日まで税務調査の現場実務に携わっていました。

税務調査といっても様々な種類があります。
大企業の調査、ガサ入れ調査、国際取引の調査など。
私は、こういった様々な調査を経験してきました。
そのため、税務調査の内情については、詳しい方だと思います。
そこで、これから税務調査について不定期で書いていきます。

読者の対象は、会社の経営者の方をイメージしています。
あまり難しい用語を使わず、感覚的に分かりやすく書くように努めます。
なお、法人の税務調査に関する話題がメインとなっており、個人事業主の調査や相続税の調査については触れません。

ではまず、そもそも税務調査って何ですか?ってところから説明します。

日本では、原則、すべての会社は、毎年、自分で利益を計算して、税務署に申告することになっています。
自分で計算するというのがポイントです。
税務署が計算するわけではないんです。
皆さんが自由に計算して申告していいんです。

しかし、それでは問題が出てくる。
何かというと、間違った申告やでたらめの申告をする人が出てくるわけです。
そうなると、真面目に申告している人が損をすることになります。

そこで、皆さんが適正に申告しているかチェックすることが必要となってきます。
このチェックが税務調査というものです。

税務署から調査官が会社に来て書類などを調べに来ます。
そして、申告漏れが見つかれば、追加で税金を取られることになります。

税務調査には大きく2種類あります。
査察と通常の税務調査です。

査察というのは、国税の隠語で「マルサ」とも言いいます。
この言葉、もう一般用語になっていますね。
マルサの女や半沢直樹でも出てきました。

この査察というのは、裁判所の令状に基づく強制調査です。
脱税している人に刑罰を与えることを目的にしています。
脱税の中でも悪質性が高いとのについては、査察が動くことになります。
査察に告発されたら、高い確率で告発まで持っていかれます。
そして告発されたら、ほぼ100%有罪判決が下っています。
ただし、普通に適正申告をしている限り、一生のうち査察に入られることはほぼないでしょう。

一方、通常の税務調査というものがあります。
こちらは、申告内容が正しいかを確認することが目的となります。
皆さんが調査を受けるとすれば、この「通常の税務調査」ということになります。
事業を行っている限り、こちらの税務調査とはずっと付き合っていくことになります。

通常の税務調査で申告漏れが見つかったらどうなるのか?
その場合は、申告をやり直して、追加で税金を納めればそれで終わります。
査察のように告発されたり有罪判決を受けることは原則ありません。

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