COLUMN

税務調査の連絡が来たら、最初の1週間でやること

結論

税務調査の連絡が来ても、慌てる必要はありません。
次の4つを最初の1週間で済ませておけば、調査は落ち着いて受けられます。

  1. 連絡の当日通知された内容をメモする
  2. 連絡の当日税理士に知らせる
  3. 数日のうちに日程を確かめ、必要なら相談する
  4. 1週間で対象期間の書類をそろえる

福岡で税務調査の立会いをお受けしている税理士として、国税通則法と国税庁の公表資料をもとに、順にご説明します。

連絡の来る先は、税理士との契約で変わります

税務署は、実地の調査の前に、日時や対象の期間などを知らせます(これを「事前通知」といいます)。
誰に知らせが来るかは、次の3つの場合に分かれます。

税理士が税務代理権限証書を出していて、「事前通知は税理士にすれば足りる」という同意の記載がある税理士だけに来ます。社長には税理士から伝わります。
税理士が税務代理権限証書を出しているが、同意の記載がない会社と税理士の両方に来ます。
税理士がいない、または税務代理権限証書を出していない会社に直接来ます。

事前通知は、原則として電話で行われます。税務署から直接電話を受けた社長も、税理士から「調査の連絡がありました」と聞いた社長も、このあとやることは同じです。

根拠:国税通則法74条の9第1項・第3項第2号・第5項、国税通則法施行規則11条の4、国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」問12・問14

通知される内容を、そのままメモします

事前通知では、法律で決まった事項が伝えられます。聞き漏らしがないよう、次の表を手元に置いてメモしてください。
税理士から伝えられたときも、同じ項目がそろっているかを確かめます。

開始の日時調査を始める日と時刻
場所本社・店舗・事業所など
目的申告の内容の確認など
税目法人税・消費税・源泉所得税など
対象の期間何年何月期から何期分か
対象の帳簿書類元帳・請求書・領収書など
担当者調査を担当する職員の氏名と所属(税務署・国税局など)

根拠:国税通則法74条の9第1項、国税通則法施行令30条の4。ほかに、日時・場所の変更の相談ができることや、通知された事項以外にも調べることがある旨も伝えられます。

日程は、相談できます

通知された日時や場所の都合が悪いときは、合理的な理由を付けて変更を求めることができます。税務署は、変更について協議するよう努めることになっています。
決算の繁忙期・入院・取引先との大事な予定などがあれば、早めに伝えます。税理士がいれば、税理士から相談できます。

根拠:国税通則法74条の9第2項

その日のうちに、税理士に知らせます

会社に直接連絡が来たときは、その日のうちに顧問の税理士に知らせてください。日程の相談も準備も、早く始めるほど楽になります。

顧問の税理士がいない場合は、調査の日までに相談先を決めます。税理士が調査に立ち会うには、税理士が「税務代理権限証書」を税務署に出す必要があるため、日にちに余裕をもってご相談ください。

根拠:国税通則法74条の9第3項第2号(税理士法30条の書面)

対象期間の書類をそろえ、申告書を読み返します

通知された「対象の期間」の書類を、すぐに出せる形にそろえます。

  • 申告書の控えと決算書・総勘定元帳
  • 請求書・領収書・契約書・通帳
  • 株主総会・取締役会の議事録

そろえたら、申告書を読み返し、説明に迷う取引(大きな経費、役員との取引、期末前後の売上など)を書き出しておきます。事実関係を調査の前に整理しておくと、当日の説明がぶれません。

調査の前に誤りに気付いたら、早めに修正申告を

準備の途中で申告の誤りに気付いたときは、税理士と相談のうえ、自分から修正申告をすることを考えます。いつ修正申告をするかで、過少申告加算税の割合が変わります。

調査の通知の前に修正申告かかりません
通知のあと、調査で指摘される前に修正申告増えた税額の 5%
(一定の額を超える部分は10%)
調査で指摘されてから修正申告増えた税額の 10%
(一定の額を超える部分は15%)

「一定の額」は、もとの申告で納めた税額と50万円のどちらか多い金額です。このほか延滞税がかかります。仮装・隠ぺいがあった場合の重加算税や、帳簿を出せなかった場合の加算などは、この表に含めていません。
根拠:国税通則法65条1項・2項・6項(e-Gov 法令検索)

なお、事前通知をせずに調査が行われる場合もあります(国税通則法74条の10)。

参考:書面添付をしていた場合

申告書に「書面添付」(税理士が、申告書の作成で確かめた内容をまとめた書面)が付いていると、調査の前の流れが変わります。

書面添付なし事前通知 → 調査
書面添付あり税理士への意見聴取 → 事前通知 → 調査
(意見聴取で疑問が解消すれば、調査に移らないこともあります)
  • 事前通知の前に、税理士が意見を述べる機会があります。連絡は、通知の1〜2週間前までに税理士に来ます。
  • 意見聴取で疑問が解消すれば、税理士に「現時点では調査に移行しない」旨の知らせが来ることがあります。ただし、調査の省略を前提とした制度ではありません。
  • 意見聴取でのやり取りだけをきっかけに誤りに気付き、調査の通知の前に修正申告をすれば、加算税はかかりません。

事前通知をしない調査では、意見聴取は行われません。
根拠:税理士法35条1項、国税庁「税理士制度のQ&A 4 書面添付・意見聴取制度」問4-3・4-6・4-7・4-11

当事務所では、内容のある書面添付を心がけています。書面添付について、くわしくはこちら

出典はいずれも2026年11月7日に確認しました。この記事は一般的な説明で、個別の調査の結果をお約束するものではありません。

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